漫画「不朽のフェーネチカ」は「辺獄のシュヴェスタ」を描く竹良実先生の読み切り漫画。疑惑のある聖女とそれを追う青年記者の物語。
読み切りなのに濃厚でキレイな物語が展開されていく良作。
聖人間違いなしと言われるマザー・ドロテア。しかし、彼女には不可解な行動が多く調査を進めると謎に包まれる過去が明らかに…。修道女以前の記録がなく、一人の青年記者をマザー・ドロテアの過去を追っていく内に真相に迫っていき、彼女が聖人を目指す理由、駆り立てた理由を知ることになる…。
漫画「不朽のフェーネチカ」は93ページの読み切り漫画。価格も250円(税別)といったお手頃価格。そして内容はお値段以上の価値を持ち、楽しませてくれる作品となっています。
漫画「不朽のフェーネチカ」は電子書籍ストア「eBookJapan」で無料試し読みも可能となっています。
漫画「不朽のフェーネチカ」ネタバレ
この漫画のメインキャストは聖女:マザー・ドロテア。そして青年記者であるアレハンドロ。
現代の聖母と言われ、生前の列聖審査目前の彼女。そこへ孤児院でお世話になったと嘘をつき青年記者のアレハンドロがマザー・ドロテアにお近づきになります。
アレハンドロは「自殺か人殺しでもしない限り、列聖は間違いない」と言われるマザー・ドロテアがそこまで素晴らしい人間なのかと疑惑を持っている記者。
マザー・ドロテアに近づき、周辺をコソコソと嗅ぎ回っていると奇妙な暗号の書かれた手帳を発見。彼女の目的や過去をより深く調査することにのめり込んでいきます。
修道女時代の彼女を知る人物を取材…
俄然、マザー・ドロテアの本当の顔に興味を持ったアレハンドロ。彼女と接点のあった人物へ取材をするため各地を飛び回っていきます。
しかし、彼女を調査していくとある不審な点に気が付きます。
「マザー・ドロテアは修道女になるまでの記録が一切ない」
アレハンドロはマザーの修道女以前の過去に聖人を目指す目的があるに違いないと判断。聖堂に忍び込み、マザーの過去に繋がる物品を物色していきます。
そして彼女の出身国を突き止め、他国から亡命してきた人間だったことが判明。彼女の故郷を突き止め、マザー・ドロテアの始まりの地であるソ連に足を踏み入れていきます。
同時に手帳に書かれた暗号は故郷の母国語であった事も判明して解読されていく手帳。
マザー・ドロテアの本名はフェーネチカ。そして修道女⇒聖人になるキッカケとなった事件を知ることになっていきます。
明かされる彼女の過去…
簡単に言ってしまえばマザー・ドロテアは聖人を目指すキッカケになったのは一途な愛でしょうかね。
修道女になる以前の彼女には愛すべき男性、サーシャがいました。
サーシャは発電所に勤めていましたが、発電所が爆発。発電所は放射能汚染によって人が近づけない状態へ。その為、サーシャの遺体は埋葬される事もなく発電所と共にコンクリートで永久封鎖されることになります。
絶望した彼女が知った宗教のある習わし。
それは聖人認定されることで死後も遺体は朽ちることなく保管されることでした。サーシャと同じように朽ちることのない死後を迎える…それがマザー・ドロテアが聖人を目指すキッカケだったのです。
全てを知ったアレハンドロはマザー・ドロテアのもとへ。
聖人か…人の命か…迫る選択の時…
マザー・ドロテアはアレハンドロが自分の事を嗅ぎ回っている事を知っていました。
「出会う人を全てを列聖の道具にしてきた…」
マザーの懺悔を聞くも行ってきた事は世の為、人の為。決してマザーを攻めないアレハンドロ。むしろマザーの生き様に尊敬の念を見出していました。
そして雪が降ってきたので施設へ移動。
同時に様々な事情を抱えた人間がいる事からマザーは警察に警護の連絡をします。
しかし、現れたのは警察でなく反国家の犯罪集団。警察に成りすまして施設にいる人間の命を狙おうとしていきます。
そこへ飛び込むのがマザー・ドロテア。
罪人でも殺せば列聖は取り消し。
列聖を守るか…人の命を守るか…聖人認定目前のマザーに究極の選択が迫ります。
彼女の選んだ選択は人の命を守ること。
そして事件は解決。
人を撃ったことでマザーの列聖審査は中止。しかし、犯罪集団から多くの命を守ったマザーは国が認めなくても一般市民から聖人認定。
褒め称えられ再び今までの生活へ戻っていきます。
漫画「不朽のフェーネチカ」感想
最後のマザー・ドロテアは本当に格好いいお婆ちゃん。
また今までの行いも多少の姑息な手段はあったものの、基本的には弱気を助け、強気を挫くといった行動です。本当…マザーの生き様が格好良すぎる!
マザーの原動力となっている一つの愛も心を突き動かすモノがありました。本当に面白い不朽の名作読み切りになる事、間違いなしの作品です。興味が出た方は試し読みも可能なので是非☆彡
不朽のフェーネチカ
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