漫画「でっちあげ」は福田ますみ先生のノンフィクション小説「でっちあげ」をベースにコミカライズした実話を取り上げた漫画。殺人教師のレッテルを張られた男性の真実が描かれていく内容。
主人公は小学校の教師である杉谷誠。
彼は教え子である沢渡秀二の母親から訴えられる事になっていく。息子への苛め、虐待は本当に横行されていたのか…母親側の視点、杉谷側の視点で大きく意見が食い違いを見せていき、どちらが本当のモンスターなのか…。
嘘をついてるのはどちらなのか…緊迫した事件の様子や背景が描かれていきます!
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でっちあげ【ネタバレ】
第1話〜3話までは「序章・史上最悪の殺人教師」と称して沢渡家の視点から見た杉谷が描かれていきます。4話〜5話では「第一章・血が穢れている」と称して杉谷側の視点から沢渡家での家庭訪問の様子が描かれていきます。
1話ネタバレ
沢渡家に家庭訪問へ伺っていく杉谷。テーブルに座り、お茶を出されると同時に彼は母親に向かって口を開いていく。
『秀二君は血が混じっているんですよね?』
どこ国の血が混じっているのか尋ねていく杉谷。祖父がアメリカ人であると答える母親。それを聞いた杉谷は母親に向かって『純粋ではないんですね』と伝えていく。
その後、アメリカが日本にしてきた事は決して忘れてはいけないと言って母親に怒りを見せていく杉谷。太平洋戦争を熱く語っていく杉谷。彼の言葉を差別であると捉えていく母親。
そして杉谷は外国人の血は『穢れた血』であると言葉を漏らしていく。タイミング良く帰宅していた秀二。杉谷が発した「穢れた血」といった言葉に強く反応を示していく。
翌日、母親に自分の血は汚いのかと問いかけていく小学4年生の秀二。
その後、秀二は学校で杉谷から苛め、虐待を受けていく事になる。帰ってくると傷だらけの秀二を見て心配になっていく母親。息子から話を聞いて決意の表情を見せていく母親であった。
2話ネタバレ
秀二の両親、沢渡夫婦は学校へ出向いて杉谷先生を担任から外して欲しいとお願いを申し上げていく。生徒も混乱してしまうので早々には出来ないと語る校長先生達。
それならと沢渡夫婦は杉谷先生に監視をつけて欲しいと懇願。
杉谷の監視役として吉野先生が任されていく。
一方、体育の授業中になり、マットや跳び箱の準備をしていた秀二に近づいて文句を垂れていく杉谷先生。
『お前のせいで監視がついたじゃないか…どうしてくれるんだ』
秀二に手をあげようとする杉谷。
その様子を見て止めに入る吉野先生。後日、杉谷は秀二が通う4年3組の担任から外されていく。沢渡夫婦もこれで事態は落ち着くだろうと考えていく。
登校の朝。
杉谷は校門前で秀二を待ち伏せ。秀二のせいで立場が悪くなった事を愚痴っていく。そして冷たい目で秀二を見下ろしていく杉谷。
『血の穢れている人間は生きている価値がない…死ね』
彼は秀二に自殺を仄めかす言葉を伝えて精神的な苦痛を与えていく。そして住んでいるマンションで自ら飛び降りる秀二。駐車場が騒がしくなっており、自分の息子の名前が叫ばれている事を知って嫌な予感が走っていく母親。
3話ネタバレ
命に別状のなかった秀二であったが母親の怒りはこみ上げていく。
その後、教育委員会の調査によって杉谷による児童への苛めや虐待が行われていたと認められていく。そして彼は6ヶ月の懲戒処分。秀二も退院するが彼は心に深い傷を負っていた。そしてPTSDだと判断されていく秀二。
そんな中で週刊誌の記者・小島真吾といった男から連絡をもらう母親。彼は今回の事件はもっと全国に知らしめて事件を糾弾しましょうと熱い信念を見せていく。
『秀二君の日常を取り戻す、そのお手伝いを僕にさせていただけませんか?』
母親は小島の申し込みを承諾。
事件はメディアでも大きく取り上げられて話題となっていく。そして沢渡夫婦は教諭や市を相手取って訴訟を起こしていく。その第1回口頭弁論。誰がもここで殺人教師に正義の鉄槌が下ると思っていた。
しかし、法廷に立った杉谷は思いも寄らない言葉を発していく。
『沢渡さんは嘘をついています。でっちあげです。』
ざわつく会場。
目を見開き、杉谷を睨んでいく母親。
4話ネタバレ
杉谷側の視点で描かれていく第4話。
家庭訪問を終えて自宅に帰ると妻が出迎えてくれる。そして中学3年生の息子に人生のアドバイスをしていく杉谷。とても教え子に苛め、虐待をするような非道な先生に見えない。
そして学校から連絡が入る杉谷。
内容は沢渡さんから連絡が入ってまだ家庭訪問に来ていないといったクレーム電話であった。
しかし、杉谷は秀二の母と日程調整の連絡をして13日に家庭訪問を変更していた。その記憶に間違いはなかった。しかし、クレームとして扱われているので一先ず、沢渡家に連絡して13日が訪問日だと説明していく。
『12日にお休みをもらっているので今日ですけど…』
杉谷は困惑しつつ、穏便に済ませたいので自分が勘違いしていたと告げていく。そして改めて日程調整をしようとすると今から来て欲しいとお願いされる事へ。そして夜の8時過ぎ。
杉谷は沢渡家へ家庭訪問を行っていく。
5話ネタバレ
母親の機嫌は悪くなく、一安心していく杉谷。
秀二の事について話していくと母親は自分の息子がADDではないかと疑っている事を明かしていく。どうやら注意欠陥障害で片付け等が上手くできない症状であった。それを聞いてどこか納得する杉谷。
学校でも彼は片付けが上手くない事を気にしていたのだ。今後はしっかりと秀二を見ていてあげようと決心していく杉谷。
秀二の母親によるマシンガントークはまだ終わらず、続いて自分の身の上話をしていく母親。自分の祖父はアメリカ人であると明かしていく。そして1話で杉谷が『秀二君は血が混じっているんですよね?』と発した場面。
杉谷視点では『アメリカの方と血が混じっているから秀二君はハーフのような顔立ちなんですしょうね』といった言葉をかけており、母親視点とだいぶ相違が見られていく。
その後、夜も遅くなってきたので帰ろうとする杉谷であったが、マシンガントークでまったく帰る余地を与えてくれない秀二の母親。ドリンクのおかわりも入れられてしまって困惑の表情を見せていく。
でっちあげ【感想】
実際にあった事件をコミカライズした漫画が「でっちあげ」である。1巻を読むと被害者は小学生の家族側であるが実際は教師側が被害者である。つまり、杉谷が言った通り、母親が嘘をついているのだ。
ちょっとした掛け違いから両者の間には大きな亀裂が生み出されていく。
二人の間に一体何が巻き起こってどういった掛け違いが生まれていったのか…今後はその辺りが描かれていくのだろうか。ノンフィクションといった事もあり、緊張感漂う描写が非常に多い印象。
リアルに巻き起こったヒューマンサスペンスの一端を体験したいなら是非、お勧めの1冊。ちなみに2巻は2020年の冬発売のようなので結構な期間が空きそうである。
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