以前に当サイトでもご紹介したももち麗子先生が描く「大人の問題提起シリーズ」に続編が登場。前巻は「かわき」でしたが今回は「さけび」となっています。
また「かわき」は各話読み切り型のオムニバス形式でしたが「さけび」はストーリー物。1巻完結型ではなく2巻も2019年初夏に発売予定となっています。
漫画「大人の問題提起シリーズ さけび」は2005年〜2006年が舞台。まだ現在ほど女性に対するハラスメント行為が問題視されておらず、女性はハラスメント行為に我慢を強いる時代の物語となっています。
そして物語の主役でありヒロインである山口さつき。彼女は派遣社員として大手メーカーのコールセンター業務をしていますが、その会社の上司からセクハラ、パワハラを受ける被害に…。
そんな彼女の悲痛な心情とハラスメント社員との闘争が描かれていきます。徹底取材から生まれた漫画で女性の心情や精神不安定になっていく様が非常にリアル…。シリアスですが女性は共感とヒロインを応援したくなる非常に面白い作品に仕上がっています。
心を揺さぶる本格的ヒューマンドラマ漫画「大人の問題提起シリーズ さけび」は電子書籍ストア「eBookJapan」で取扱い、試し読み可能です!
漫画「大人の問題提起シリーズ さけび」ネタバレ
信頼していた上司からのセクハラがエスカレート…
ヒロインである山口さつきは大手メーカーのコールセンター勤務。そんな彼女を優しく見守り、時には心配をしてくれる上司、堂林。
さつきは堂林に厚い信頼をしていました。ちなみに派遣社員であるさつきを一人前に育てたのは堂林。そんな中、所属部署の部長である碇に食事に誘われるさつき。
この後から徐々に堂林のさつきに対する対応が大きく変化を見せていきます。会社ではナチュラルなボディタッチ。この時はまだ自分の事を気にかけたり、心配してくれる優しい頼れる上司だと思っていました。
しかし、部署の飲み会で堂林の魂胆が片鱗を現していきます。
飲み会の席でやたらと部長と会食した後の事を気にしていたり…堂林は妻子ある身ながらさつきの事が気になっている告白。さらに帰りのタクシーの中で手を握ってくるなど、セクハラはエスカレート…。
さつきは堂林を信用、信頼していますが恋人関係になりたいなど微塵も思っていません。堂林の行動に困惑と迷惑を感じだしていきます。
旅行の誘いを断るとセクハラからパワハラへシフトチェンジ!
その後も堂林からのお誘いやボディタッチはエスカレートしていきます。堂林はさつきをバーに誘い出してレディキラーカクテルを飲ませ、酔い潰そうとしたり…。
本気でさつきと肉体関係へ持ち込もうと、あの手この手でアクションを仕掛けてくる事に…。
上手く堂林のお誘いを切り抜けてきたさつき。しかし、堂林を怒らせてしまう状況が発生していきます。それは堂林がさつきと旅行しようと提案。既に宿はおさえている状態。
さつきは困惑しながら考えます。
妻子ある人と旅行はできない…度が過ぎていると…。さつきは丁重に堂林のお誘いを断ることに。堂林も納得…何事もなくこの日は解散されていきます。
しかし、翌日から堂林のさつきに対するパワハラがスタート。
新商品の研修レクチャーを連絡しなったり、さつきの代替え要員となるハイスペック派遣社員を同部署に配属したり…。
何も悪い事をしていないのに、追い込まれていくさつきは徐々に精神不安定状態へ。黙って耐えることに我慢の限界を感じたさつきは堂林のハラスメント行為と戦う事を決意していきます。
厄介者に救いの手はなかった…!?
堂林のセクハラやパワハラを懺悔させるべく行動に出るさつき。
まずは堂林の上司でもある部長の碇にハラスメント行為を受けている事を告白。部長立会のもと、堂林と二人で話し合う場を設けてもらう事に。
しかし、堂林からの誘いを受けた証拠メールなどを消去していたさつきは確固たる物証がなく、堂林に話しを上手く丸め込まれてしまう結果に…。
堂林にハラスメント行為を懺悔さえる事ができず…。続いて労働組合にて相談をする事に…。しかし、堂林は組合員。さつきの相談を聞いた担当者は堂林の事を「ヤンチャな男」の一言で終わらせてしまいます。
労働組合は組合員を守る事が優先。派遣社員の言葉など耳を貸してくれなかったのです。会社組織と言うものを理解したさつきは落胆。為す術がなくなってしまいます。
新たなスタートと度重ねる決意…
誰も助けてくれない…このままで自分が壊れてしまう…そう感じたさつきは会社を去ることに。堂林に勝負は負けてしまいましたが、新たな職場で新しいスタートをきって気持ちをリフレッシュさせるさつき…。
そのはずでしたが…。
堂林から受けたハラスメント行為はさつきを蝕んでいました。男性が見たり、傍に近づかれると恐怖や怯えが出てしまうさつき。彼女は堂林のハラスメント行為が原因で男性恐怖症になっていたのです。
新しい職場も上手くいかず…お先真っ暗状態のさつき。そんな時、最後の望みをかけて心のお悩み相談窓口「ウィメンズ・テラス」に連絡をしてみる事に。
ウィメンズ・テラスの職員は真摯にさつきに対応。彼女の辛さをわかり、アドバイスやサポートをしてくれる事に。本気で女性の抱える社会問題に立ち向かうウィメンズ・テラスの職員。
彼女は施設、職員に感銘を受けてお手伝いをすることに。少しずつ気力も戻っていきます。そして彼女は堂林との件を諦めかけていましたが再び彼に懺悔させる事を決意。
ウィメンズ・テラスの職員のサポートを盾に再び戦う意思を見せていき、1巻は幕を閉じていきます。
漫画「大人の問題提起シリーズ さけび」感想
女性が受けるハラスメント行為をテーマに心の葛藤や相手との闘争を描いていく本格的ヒューマンドラマ作品。非常に楽しませてもらえた作品。普通にお勧め!
そして2巻も発売予定となっており、次巻では堂林と全面対決…しかし社会は女性に厳しくて…といった感じでまだまだ山あり谷ありの展開が続きそうです!
この作品は絵も綺麗だし、何より内容がリアルで本当に面白い。ヒロインである山口さつきの葛藤など本当に身に沁みてきます。男性もハラスメントを受けている女性の心の叫びが必ずわかるので読んでもらいたい作品。
試し読みも可能なので興味が出たら是非、チェックしてみてください☆彡
大人の問題提起シリーズ さけび
漫画「大人の問題提起シリーズ さけび」は以下から試し読み、購入が可能です。